この記事では
- 民間(or公務員)から公務員に転職したい
- 公務員になって、安定を勝ち取りたい
- 働きながら公務員試験に合格できるか不安...
- 公務員試験って試験科目が多くて大変そう...
- いつから勉強をスタートすればいいのかな?
こういった疑問に応えます。
この記事を書く僕の実績は、下記のとおりです。
- 特別区:上位合格(100位程度/13,000人中)→就職
- 国家一般職(某K省):合格
- 裁判所一般職(関東):合格
- 地方上級:合格(区職員として働きつつ、半年間の独学で合格)
就職後は区役所で働きつつ、独学で市役所の試験に合格した実績があります。 この記事を読んでいただければ、試験を突破するための戦略の立て方や、具体的な勉強スケジュールなどがわかりますよ。 本記事を参考にして、合格する確率をあげましょう! ではさっそく本題です!
大前提:「公務員試験は大変そう」は半分間違い!
一般的な公務員試験へのイメージはこんな感じでしょうか。
- 「公務員試験って科目が多くて大変そうだなぁ」
- 「自分は頭が悪いから無理…」
- 「倍率が高いから合格するのは難しいだろうな」
実はこれ、半分は正しく、半分は誤解です。
なぜかと言うと、公務員試験は正しい戦略で勉強すれば、誰でも合格できる仕組みになっているからです。 公務員試験に失敗する人は、公務員試験の正しい勉強方法を知らないからです。 さらに公務員試験では倍率が10倍を超える試験もありますが、「なんとな~く応募した勢」が半分くらいいるんです。

地方公務員試験で求められる能力とは?
公務員試験で求められる能力は、次のとおりです。
- 幅広い知識力
- 簡単な計算問題を高速で処理する能力
- 論理的思考力
- 社会一般的な常識力
漢字ばっかりで意味不明ですね......(笑) 上記をわかりやすくすると、
- 幅広い知識力 ⇒どんなことでも知っている
- 簡単な計算問題を高速で処理する能力 ⇒中学生レベルの計算を速くできる
- 論理的思考力 ⇒物事の「同じところ」や「違うところ」に気づいたら、どうしてそう感じたのか「理由」を考え、それを人にわかりやすく伝える
- 社会一般的な常識力 ⇒新聞やニュースを知っている
これ、どうしてかと言うと、公務員の仕事でまさに上記の能力とかスキルが求められるからです。

なので、公務員試験には下記のような特徴があるんです。
- 出題範囲が広く、問題数が多い
- 制限時間が短い
- 日本語の基本的な読解力を問う問題が多い
- 難問は出題されない
大学受験とか難関資格試験とかとは違うでしょ?これらの試験と同じノリで勉強したらダメです。 いくら頑張っても成果が出ないので、失敗します。
なので、公務員試験を突破する戦略はこれ。
- 頻出度が高く、かんたんな問題を確実に正解する!
- 配点が高い科目を重点的にがんばる!
つまり、「100人中90人が解けるような問題を、ふつうにできるようになること」が重要になってきます。

勉強を始める前にやるべきこと!

- ①目標設定:情報は大事!
- ②環境整備:予備校か独学か
①目標設定:学習する前に情報収集を
「公務員になりたい!」と思ったときに、最初にやるべきは次の2つです。
- 「①情報収集」
- 「②受験する自治体の決定」
シンプルに目標が定まらないからですね。
「目標が定まらない=勉強すべき科目がわからない=必要な勉強量がわからない」となり、100ぱー迷走します、、、 大まかでもいいので、ざっくりとでも目標を決めましょう。

情報収集のポイント!

- 試験科目
- 試験の日程
- 倍率、受験者数
- 過去問
実はこれ、受験候補となる自治体のホームページで確認できます。 自治体のホームページを閲覧する際は、「○○市 採用」「○○区 試験」などでググるといいです。
「そんなに時間をかけて情報収集するのはどうなの?」と思うかもしれませんが、最短で合格するには最初が肝心っ! 情報収集をしてじっくり戦略を立てることが時短になりますよ。
とはいえ、自治体のホームページをちまちまと検索してる時間はないですよね。 もっと体系的に知りたい!という人は、以下の冊子がおすすめです。
- 社会人のための公務員転職ハンドブック(無料)
- 受験ジャーナル
とくに、社会人のための公務員転職ハンドブック(無料)は、大手資格予備校・クレアールが作成する良書です。 これ1冊ですべての情報がわかるので、マジでオススメです。

②環境整備:完全初学者が「独学で」合格するのは難しい
お次は環境整備!環境です。 これ大事ですよ。 人間はよわいので、どうしても楽なほうへと流れてしまうじゃないですか?

その理由はいろいろありますが、代表的にはたぶん下記で
- (1)試験範囲が広く、学習スケジュールが立てにくい
- (2)一部科目(法律系、経済系)は難しい
- (3)モチベーション維持が難しい
とくに20科目以上出題されることを踏まえると、「(1)試験範囲が広く、学習スケジュールが立てにくい」により、失敗するリスクが高いです... 鬼門ですよね~これは。 初学者はしょうがないですが、力の入れどころがわからないので、どーでもいい科目をめちゃくちゃ頑張っちゃったり、超重要科目が手抜きになっちゃったりするんです。

完全初学者は、予備校がおすすめ
なので、完全初学者は予備校がおすすめでして、その理由は下記です。
- 最新の情報が手に入る
- 予備校がスケジュール管理をしてくれる
- ライバルと切磋琢磨できる
- 定期模試で実力を判定できる
- オンライン学習に対応していて、講義を繰り返し聴ける
- 面接や論文対策もできる
- 相談体制が充実している
と、予備校代を支払ってもあまりあるメリットが盛りだくさんです。 予備校費だけでも10万~30万円ほどかかりますが、公務員になることができれば1~2か月分の給料で元が取れますよ。

学習手順:基礎学習→簡単な問題を解く
受験する自治体が決まったら、あとは淡々と学習をするだけです。 近道とか裏ワザなんかありません。とにかくコツコツと頑張るのみ。
ただ気を付けるべきは、次の2つです。
- (1)基礎を学ぶ
- (2)簡単な問題を解く
かんたんに言えば、「インプットをした後、すぐにアウトプットをする」です。 どの参考書を買うにせよ、どの予備校に入るにせよ、独学で勉強するにせよ、すべての基本は上記のとおりです。 そして、もしつまづいたら、次のように対処すればOKです
- もし「(1)基礎を学ぶ」で理解できないと思ったら、マンガやYouTubeで勉強する
- もし「(2)簡単な問題を解く」でミスをしたら、解説文を熟読し、「(1)基礎を学ぶ」に戻る
たったこれだけ。シンプルでしょう? つまづいたら原点に戻る。これだけで問題は解決しますよ!
大切なので繰り返しますが、「(1)基礎を学ぶ→(2)即問題を解く」という流れを作ってください。
学習の優先順位は?!前半:高配点・高頻出の分野、後半:好きな科目をつまみ食い

- (1)前半:高配点・高頻出の分野を
- (2)後半:好きな科目をつまみ食い
いったん自分の好き嫌いは捨てて、公務員試験に自分をあわせてみてください。 初学者が失敗しがちなのは、「自分は歴史が好きだから」「政治系に興味があるから」と、自分の都合で学習科目を決めてしまうことです。 ただこの方法は考えものなんですよね...
なぜなら、自分の得意科目と、公務員試験の重点科目は一致しないからです。 たとえばあなたが歴史好きの歴女だからといって、40問のうち、1問しか出題されない日本史を頑張るのはあまりよくないです。 シンプルにコスパが悪すぎます。 勉強にかけた時間に対して、得られるメリットが低いんですよね。

- (1)前半:高配点・高頻出の分野を
- (2)後半:好きな科目をつまみ食い
これは専門にも教養にも共通する原則なので、ぜひ参考にしてみてください! で、重要なのは上記を勉強する前に決めることです。もしくは勉強の初期段階でもいい。 そうすれば最小の労力で最大の効果が得られるようになりますよ~ ぜひ取り入れてみてくださいね。

専門試験の学習スケジュール

- 前半:「憲法、民法、行政法、ミクロ・マクロ経済、財政学」
- 後半:「政治学、行政学、社会学、経営学」
試験によっては多少異なりますが、だいたいの試験は上記の手順で大丈夫です。
専門試験・前半戦
前半に勉強すべきは、下記の科目です。
- 憲法
- 民法
- 行政法
- ミクロ・マクロ経済
- 財政学
上記の科目は、どの公務員試験でも高配点・高頻出です。 この5科目だけで40問中30問もあります!
なので、公務員試験を突破するためには避けては通れない最重要科目。

専門試験・後半戦
後半戦では、下記の科目を勉強していきます。
- 政治学
- 行政学
- 社会学
- 経営学
あなたが好きな科目、あなたが得意な科目をピックアップして学習しましょう。
補足ですが、シナジー効果がある科目があります。 たとえば、「政治学」と「行政学」は同じ領域を扱うことが多々あります。 両方とも学習することで両科目の得点が上がる効果が見込めます。
教養試験:数的処理を制する者が、公務員試験を制する
断言しますが、「数的処理」が圧倒的に重要。なぜなら、すべての試験で出題され、出題数がずば抜けて多いからです。
出題比率は、数的処理だけで教養試験全体の約40%です。
「自分は数学が苦手だから、公務員試験はムリだ…」と思うかもですが、数学が苦手でも大丈夫です。
なぜなら、数的処理は「暗記」だから。
公務員試験の数的処理はパターン化されており、解法を暗記して組み合わせるだけで答えが出る仕組みになっています。一部の天才しか解けない問題は出ないから安心してください。
事実、僕は数学が苦手の文系私立大学出身ですが、数的処理で合格点は取れました。
「数的処理」は以下の3つに分解できます。
・判断推理(パズルやクイズ)
・資料解釈(グラフや図表の読解)
上記を学習しつつ、試験では5~6割正解できればOK。基礎的な問題をいかに取りこぼさないかが重要になります。
教養試験・前半:数的処理を重点的に学習
前述のとおりですが、数的処理は重要なので勉強開始した日から試験当日の朝まで学習してください。
教養試験・後半:地歴・理科系から好きな科目をピックアップ
後半には、受験する試験で出題される科目をピックアップして学習してください。
ぶっちゃけ文章理解や英語はノー勉でOK。なぜなら、難易度が低すぎるから。多くの方は勉強しなくても当日ぶっつけ本番で合格点を取れます。勉強に費やしても劇的に成績が上がるわけでもなくコスパが悪いので、勉強しなくていいです。
余談ですが、ふだんから最新のニュースを調べておくと、時事問題で活きてくるのでオススメです。
論文対策
自治体によっては論文試験を課すところもあります。
論文試験で採点者が見ているのは、「①文章の論理性と②日本語力」です。
つまり、「あなたの主張が理由や事実とセットで書かれているか」、「そこに確かな因果関係があるか」、「誤字脱字がないか」を確認しているのです。
したがって、極端な話、あなた独自の奇抜な主張やアイディアは不要です。むしろ、論理が破綻するおそれもあり、危険といえます。
論文対策の学習方法は以下のとおりです。
- 頻出テーマを学習する
- 頻出テーマの課題、解決方法を暗記する
- 実際に自分で論文を書いてみる(時間制限あり)
- 模範解答と自分の論文を比べる
- (おまけ:知人や家族に読んでもらい、添削してもらう)
これだけです。論文対策でも難しく考える必要はないです。頻出のテーマに関する知識と、文章の型を学習すれば合格点に達することが可能です。
余談ですが、論文試験の際にいきなり書き出す人がいますが、基本NGです。なぜなら、考えがまとまらないからです。
いきなり文章を書きはじめるのは、冷蔵庫の中を確認せずに、料理を作り始めるのと同じ行為です。カレーを作るためには、最低でも人参、玉ねぎ、肉、カレールーは必要ですね。材料があるかどうかも確認せずにカレーを作りはじめてしまっては、失敗するリスクが高いです。
文章を書く前に、見出し(目次)を作りましょう。材料と手順を決めたのちに、実際に手を動かすイメージです。
面接対策
転職者が最も不安に感じるのは「面接」ですよね。 近年の公務員試験は、「筆記試験の配点が低く、人物試験の配点が高い傾向」にあります。
しかし、面接試験では、社会人の方こそ断然有利。これは断言できます。
なぜなら、社会人の皆さんはすでに「会社で働いてきた」という実績があるからです。面接では「実績」と「公務で活かせる理由(=再現性)」をシンプルに面接官に伝えるだけOKです。
- 転職者の面接対策方法
- 受験先自治体の基礎情報を学習
- 受験先の自治体で活かせそうなスキルや実績を書きだす
- 面接カードをぎっしり記入する
- 面接の練習(模擬面接)をする
意外かもですが、これだけです。
ちなみに、社会人経験者に期待される能力は、「即戦力性」です。したがって、ポテンシャルをアピールするよりは、「過去の実績」と「公務への再現性」をアピールすべき。
余談ですが、少子高齢化の影響もあり、厳しい財政の自治体が多い中、人材育成への研修費用を捻出できる自治体は多くないようです。事実、僕が働いていた市役所は、2年目以降、市独自の研修は年に数回ほどでした。したがって、財政難の自治体ほど、即戦力を求めているといえます。社会人の方はチャンスですね。
よくある質問
ここからは、僕の知人や友人によく訊かれる質問を載せます。
社会人採用枠か一般枠か?【結論:条件で異なる】
「社会人だから社会人採用枠で受けるべきですか?」と訊かれることがありますが、結論は「条件で判断してください」と伝えています。
まず、あなたが受けようとする自治体の採用試験と条件を確認してください。
そうすると、「平成○○年4月1日~平成○○年3月31日生まれの方で、民間企業への就業期間が合計して5年以上」など、いろいろ出てきます。
勉強時間はどれくらい確保すべきですか?:最低1000時間は確保
断言しますが、最低でも1000時間は確保すべきです。 繰り返しお話しましたが、試験範囲が広いからです。とくに初学者は膨大な科目数に絶望すると思います。 学習してまもなくは軌道に乗らないと思いますので、バッファーとして1000時間に200~500時間を追加で確保できると理想です。 余談ですが、試験開始の1年前から学習を開始することをオススメします。 1000時間を達成するには下記のとおりで、
- 1年:1日3時間
- 半年:1日6時間
- 3か月:1日10時間以上
高学歴じゃないと、公務員になれないのか?
僕の区役所・市役所時代の知り合い・同期・先輩・後輩の大学から、地方公務員のリアルをお伝えすると下記のとおりで、
都内区役所 | 郊外市役所 | |
東大・京大・一橋大 | 数名ほど | いない |
旧帝大・難関国立大 | 少ない | 数名ほど |
地方国公立大 | 多い | 結構多い |
早慶上智 | 結構多い | 少ない |
GMARCH | 結構多い | 多い |
日東駒専 | 多い | 結構多い |
その他 | 少ない | 多い |
都内区役所は早慶上智かGMARCHがボリュームゾーンに対して、郊外市役所は地方国公立大と日東駒専がボリュームゾーンでした。 「高学歴→公務員試験に有利」の因果関係は不明ですが、高学歴者が多いのは事実です。
まとめ
社会人の方向けに、地方公務員試験の対策方法を紹介しました。
本記事の内容をまとめると、
- 公務員試験は淡々と勉強を続けさえすれば、誰でも簡単に合格できる仕組み
- 目標設定:学習する前に情報収集をしましょう
- 環境整備:完全初心者は予備校に通いましょう
- 学習手順:基礎学習→簡単な問題を解く
- 優先順位:前半:高配点、高頻出科目、後半:好きな科目をつまみ食い
- 専門試験:「憲法、民法、行政法、ミクロ・マクロ経済」が学習の中心
- 教養試験:数的処理が学習の中心(文章理解と英語はノー勉でいい)
- 論文対策:頻出テーマを分析し、実際に書いてみる
- 面接対策:実績と公務での再現性を洗い出す