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【初学者向け】社会人が地方公務員へ転職する方法

2022年11月28日

地方公務員に興味を持つ人「毎日バリバリ働いてて、帰宅時間はいつも夜の8時頃過ぎ・・・。今後もこの働き方でいいのだろうか。地方公務員ってどうだろう?そもそも地方公務員に転職するにはどんな方法があるのかな?」

こういった疑問や悩みにお応えします。

本記事の内容

  • 地方公務員に転職するルートは2つある
  • 正規職員以外のルートも2つある
  • 勉強する前に:まずは公務員試験の全体像を把握しよう。

この記事を書いている僕は、2018年に郊外の市役所を独学で受験し、転職した経験があります。

 

◇地方公務員への転職ルートは主に2つある

地方公務員への転出ルートは主に2つです。

試験区分 主な条件 筆記試験 人物試験
①新規採用職員枠 ~29歳まで 教養試験、専門試験 論文、面接試験
②社会人経験者採用枠 勤務期間が5年以上 教養試験のみ 論文、プレゼン、面接試験

僕の経験則でも公務員に転職する人のうち、上記2つが95%です。この2つを解説しますね。

 

①新規採用職員枠

意外かもしれませんが、社会人が地方公務員に転職する際に、新規採用職員枠で受験する方も多いです。

理由は下記で、

  • 採用人数が多い
  • 受験倍率が低い
  • そもそも新規採用枠でしか受験できない

といった感じです。

 

「筆記試験(教養試験+専門試験)+面接」が王道

試験科目は、王道パターンですね。受験する際は、相当の覚悟が必要になります。

下記は一例です。

 

自治体によっては教養試験のみもある

一方で、自治体によっては筆記試験が教養のみの自治体もあります。
しかし、教養のみの試験を採用している自治体は人口10万人以下の場合が多いので、注意が必要です。

下記は、教養試験のみの自治体の例です。

 

②社会人経験者採用

社会人が地方公務員に転職するルートの2つ目が、「社会人経験者採用枠」での受験です。

最近では、自治体でも民間企業の知識やノウハウを取り入れるために、社会人経験者採用枠を新設したり、採用人数を拡大したりするところが多くなってきました。

自治体によっては、「民間企業等経験者枠」「一般行政B」という試験名にしていますので、自治体のHPをよく見てみてください。

 

筆記試験(教養試験のみ)+論文orプレゼン+個別面接

社会人経験者採用枠では、筆記試験を教養のみとしている自治体が多いです。その代わり、プレゼンや面接に重点を置いています。

 

正規職員以外のルートも2つある

「正規職員として採用されること=転職」とも言えないですよね。

実は、フルタイムでなくても地方公務員になる方法はあります。具体的には下記でして、

  • 育休代替任期付き職員枠
  • 会計年度任用職員枠

の2つがあります。

ここまで読んだ方で「育休代替とか会計年度任用ってどういう意味?」と思った方もいるはずです。
ちょっと解説していきます。

 

育休代替任期付き職員とは

言葉どおりですが、「育児休暇中の正規職員の代わりに配置される任期付きの職員」のことです。
ポイントは「任期付き」である点ですね。

地方公務員には女性職員が多いので、出産や育児で休暇を取る職員の数も多いんですよ。自治体のホームページをよく観察すると、「育休代替代替え職員を募集しています」といった広告をよく見かけます。

具体例を挙げると、「千葉県流山市」や「京都府宇治市」です。

「任期以外は完全なる正規職員」とみなされますので、給料や福利厚生、仕事の責任なども正職員とまったく一緒です。違うのは任期があるだけ。

といっても、地方自治体は慢性的な人出不足なので、一度育休代替職員になれば、任期満了で解雇されることはまずないです。

実際、僕が働いていた部署の職員数は20名でしたが、育休代替職員は4人いました。代替え職員の方は、育休中の職員が復帰後に別の部署に異動しました。

 

会計年度任用職員とは

会計年度任用職員とは、「地方公務員法第22条の2の規定に基づき任用される非常勤職員」のことです。要するに「臨時職員」ですね。

かつては「臨時職員」と呼んでいましたが、2020年から法律改正によって「会計年度任用職員」に改められました。

変わった点は下記のとおりです。

  • 休暇、福利厚生、手当等の拡充された
  • 服務規律(守秘義務や職務に専念する義務等)が適用され、懲戒処分等の対象になる

変更された時代背景に「正規の地方公務員の減少と非正規の地公務員の増加」がありました。
ほぼ同じ労働なのに、待遇や給料が低いことが問題になっていたんですね。

このあたりの詳しい解説は、>>参考:【論文】「会計年度任用職員」導入による公務員制度の大転換を読むと理解が深まります。

 

よくある質問

以下では、社会人が地方公務員試験を受験する際に不安に思う点を取り上げます。

①働きながら公務員試験に合格できますか?

下記のような疑問です。

「働きつつ、公務員試験の勉強をするのはきつそう。私の帰宅時間は夜の8時過ぎ。。やっぱり諦めた方がいいでしょうか?」

結論として、社会人経験者採用枠なら働きつつも合格できます。
しかし、新規採用職員枠なら、(仕事を辞めて)予備校に通ったほうがいいです。

上記結論の根拠はシンプルでして「専門科目試験の有無」です
専門試験の勉強は割とハードですが、社会人経験者採用枠には専門試験がないので、働きつつも十分合格できます。

僕の知り合いの民間経験者で、予備校に通っていた人はゼロです。ノー勉だった人もいるくらいです。

SNS上には下記のようなツイートがありました。

 

②地方公務員に転職すると年収はどうなりますか?

続いて、下記のような疑問です。

「私は、ABC生命保険(仮)で働いて7年で、年収は500万円ほど。仮に来年から地方公務員に転職すると、年収はどうなりますか?下がりますか?上がりますか?」

結論として、おそらく80%以上の人は、年収がダウンします。

社会人が地方公務員に転職すると、「前職の経験年数×換算率」で基本給が計算されるんですね。

たとえば、質問者のように保険会社での経験年数が7年とすると、「7年×80%=5.6年→5年(小数点以下切り捨て)」となります。

つまり、質問者の場合、保険会社で7年働いた経験は、地方公務員として5年働いたこととイコールとなります。
公務員では、1年働くと4号上がるのが定番でして、「新卒の初任給+(5年×4号)=転職者の初任給」になります。

保険会社で頑張って働いた7年間は、地方公務員で5年間働いたと同じとは、、、なんかモヤモヤしますね。。。

実際、僕の知り合いでも銀行や証券会社からの転職者がゴロゴロいましたが、みなさん「収入が減った」と言っていました。

 

勉強する前に:まずは公務員試験の全体像を把握しよう。

何を始めるにしても、全体像の把握は重要です。

全体像を把握しないのは、地図を持たないで海外旅行に行くようなものだからです。
海外旅行に行く前には、地図はもちろん、旅行雑誌やガイドマップを読みますよね。

それと同じで、地方公務員に転職しようと思ったら、試験勉強を始める前に、全体のイメージを知ることから始めた方がいいです。

 

公務員予備校であるクレアールの資料「社会人のための公務員転職ハンドブック」が参考になるので、気になる方は無料ですのでゲットしておいてください。

>>参考記事:【本質論】公務員試験を効率よく勉強する方法【元公務員が解説します】

 

まとめ

記事の内容をまとめると、

  • 転職ルートは2つ:①新規採用枠②社会人採用枠
  • 正規職員以外のルートは2つ:①育休代替任期付き職員②会計年度任用職員
  • 試験勉強前に、全体像を把握すべき

地方公務員に興味を持った方の参考になっていれば嬉しいです。

  • この記事を書いた人
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ツルオカ

Web制作を学習中の32歳・HSP気質 | 夫婦+子(2歳の男児) | 区役所→市役所→退職(2021) | 「鳥のさえずりが聴こえる古民家に住む」を目指しており、今は働き方を見直しています。そのために2022年7月〜Web制作学習をスタート | Web制作の学習で培った便利なテクニックや小ネタ、気づきを発信しています
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