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東京生活に疲れた地方公務員「憧れだった東京での公務員生活。でも、実際に住んでみたらけっこうきつい。家賃は給料の半分くらいだし、生活コストも高い。残業代がないと、正直きつい…。あと、満員電車は想像以上につらい。。。通勤だけで消耗する。。。」
こういった悩みを持つ方に、記事を書きました。
本記事の内容
- ①東京で公務員は、生活が苦しい
- ②東京で消耗する公務員向けに、改善案をまとめてみた
過去の僕は、東京で地方公務員になることが夢で、実際に特別区に就職しました。
死ぬまで一生、東京で生活するものだと思っていました。
しかし、東京での生活に消耗し、郊外の市役所に転職しています。
当時の自分に向けて、葛藤や苦悶をつらつらと書きます。
東京で公務員は、生活が苦しい
東京で地方公務員として生きていくということは、ある程度の生活苦を覚悟する必要があります。
第一の理由は、「生活費が高い」ということです。
東京で地方公務員(手取り25万)
- 家賃:10万
- 光熱水費:1万
- 通信費:5,000円
- 食費:5万
- 娯楽:1.5万
- 衣服:1万
- その他:1万
- 合計:18万
手元に残るお金は、5万円/月です。
貯金できるお金は、1年間で60万円、3年間で180万円です。
旅行や引っ越しをすれば、一瞬で消え去る金額ですよね。
一方で、地方で公務員になると、下記のようになります。
地方で地方公務員(手取り20万)
- 家賃:5万
- 光熱水費:1万
- 通信費:5,000円
- 食費:2万
- 娯楽:5,000円
- 衣服:5,000円
- その他:1万
- 合計:10万
手元に残るお金は、10万円/月です。
貯金できるお金は、1年間で120万円、3年間で360万円です。
給料は2割ほど落ちますが、自由に使えるお金は2倍になります。
下記は、ブロガー兼投資家のマナブさんのツイートです。
いつも思うのですが、若い人が東京で「ひとり暮らし」をしたら、貯金不可能じゃないですかね。
手取り25万として、家賃で8万、食費5万、交際費5万、その他2万とかで、消えるかなと。これじゃあ自己投資で本を買ったりもできないし、かなりハードな予感。実家やルームシェアじゃないと、お金消失— マナブ@仮想通貨 (@manabubannai) July 25, 2019
貯金ゼロだと、貴重な経験をするチャンスを失う
貯金ゼロのリスクは、今しかできない経験へのチャンスを失うことだと思います。
もちろん、何かを経験するのに、必ずしもお金はいらないです。無料でできることもたくさんありますよね。
でも、本当に価値ある経験にはある程度の費用はつきものです。
お金のかかる価値ある経験
- 海外旅行
- 読書する
- コンサート
- 美術館に行く
- 新しい趣味を始める
- 有料のセミナーや講演会に参加する
上記のとおりでして、心理学の研究でも、人は「モノ」ではなく「経験」にお金を使う方が幸せになれることを示しています。
- モノを買った時の喜び:一時的で一瞬。時間の経過とともに低くなる
- 経験から得られる価値:時間の経過とともに高まる
経験からは、その瞬間の喜びだけではなく、後で思い出せる記憶が得られますよね。
しかし、頑張って働いたお金が生活コストで消えてしまってはどうでしょう?
価値ある「経験」にお金を使う余裕がない状態は豊かであるとはいえませんね。

オリンピックで金メダルを取った人が「実際に金メダルを取ってみるとこんなものかぁ…」と言っていたのが興味深かった。本当の価値は、金メダルを目指した過程にあったんですね。
なお、経験への投資については、ベストセラー「DIE WITH ZERO」を読むと理解が深まります。
東京での生活は、ストレスフル
東京で働いたり、暮らしたりするのは、肉体的にも精神的にも刺激が強すぎます。
たとえば、下記です。
東京で感じるストレス
- 多すぎる人
- 満員電車
- 住宅面積が狭い・隣の間隔が狭い
- 騒音・悪臭
- 人工的な強い電光
東京に住んでいるとこの辺りの感覚が麻痺してきますが、郊外に出かけると東京の異常さに気が付きます。
下記は、富山県に住むWebライターのゆうへいさんのブログです。
夜行バスで行ったので、早朝の新宿の街を歩いてみた。
生ゴミの臭い...? くさい...
これは住んでるときはほとんど気づかなかったんだけど、生ゴミの臭いなのかとりあえずくさい...。
人間はニオイへの慣れが早いと聞いたことがあるが、東京に住んでいるとほぼ気づかなくなるのだろう。東京に住んでいる友達は全然気にならんと言っていた。
僕も数日滞在していると臭いはほとんど感じなくなったので、「慣れ」は確実にある。
小さな我慢は、心も身体も貧しくなる
ここまで読んで、「そうか、、、でも、すぐには変えられないよ。やっぱり耐えなきゃな~」と思うかもしれません。しかし、下記です。
- 良い耐え →必要のないものを削り、睡眠時間を確保。他人の目は捨てた。
- 悪い耐え →時間がないから、睡眠時間を削る。お金がないから、夕飯はそうめんだけ。
上記のとおりで、小さな我慢も時には必要ですが、心も身体も貧しくなります。
僕の感覚では、東京で働いていたときの肉体的・精神的な疲れは異常でした。

水曜日の時点で朝起きるのが苦痛になり、金曜日は疲れ果て、土曜は昼まで寝ていました。飲み会も多く、給料の割に貯金は少なかったです。
常識を捨てること
多くの人は、「大学を卒業したら、東京に就職だ」「1つでも難易度が高い自治体に就職すべき」と思い込んでいて、「東京での生活に消耗している」という状態だと思います。
どうしてこういった状況が生まれるかというと、それは「常識」だと思います。
もしかしたらその常識は「虚構」かもしれません。
再確認すべき「常識」リスト
- 東京で働くべき
- 難易度の高い試験に就職すべき
- 給料は高いほうが幸せ
- 大企業に就職するのが大切
- 石の上にも三年
こういった「常識」をお持ちかもしれませんね。
これらの「常識」は多くの人や時代にあてはまる一方で、時代の変化とともに変わっていくものであり、人によっても変わるものです。
つまり「何が幸せと思うか」は人よっても時代によっても全然違う。
だからこそ、社会で当たり前とされていることに対して、いちいち「それって本当?」と考える必要があります。
自分の人生の方針を、世間の目を気にして決めたり、他人の期待に応えるために費やしたりするのはNGで、外野に縛られてた生き方は生きづらさにつながると、わたしは思う。
だけど、このあたりの考え方は今日・明日ですぐ身につくものでもないし、身についたとしても行動に移すのは怖いはずです。
だから、まずは小さく始めるのがいい。
たとえば、
- 朝活が流行っているけど、自分には向いているの?
- 毎日3食ご飯を取るのって、本当に身体にいいの?
- 髪の毛をシャンプーで洗うのって、本当に髪にいいの?
- スマホって生活に必要なの?
と、こんな感じ。生活の「当たり前」に対して、そもそも論をぶつけてみる。そして、真逆の仮説を立てて、1ヶ月くらい試してみるんです。
ポイントは「自分がどう感じたか?」をすっ飛ばさないこと。
本筋とズレるのでここでは詳細を割愛しますが、このあたりのヒントは、20代から隠居生活をしている大原さんが書いた「年収90万円でハッピーライフ」を読むといいです。
東京で消耗する公務員向けに、改善案をまとめてみた
東京で消耗しないために、僕が実際に試してよかったライフハックを紹介します。
具体的には以下です。
- 固定費を見直そう
- 郊外の自治体に転職しよう
- 「将来、どうありたいのか」を考える
固定費を、見直そう。
まずは家賃といった固定費を見直すといいです。
食費や日用品費などの変動費を削るよりも、一度の変更で済み、効果が大きいからです。
- 給料20万/家賃10万 → 固定費比率50%
- 給料20万/家賃8万 → 固定費比率40%
- 給料20万/家賃6万 → 固定費比率30%※これが上限
- 給料25万/家賃12万 → 固定費比率48%
- 給料25万/家賃10万 → 固定費比率40%
- 給料25万/家賃8万 → 固定費比率32%※これを上限
個人的な感想では、家賃の比率が35%を超えると、家計が苦しくなります。
家賃のほかにも、光熱水費や通信費が乗っかりますので、30%以下にしておくといいです。
なお、固定費については、参考記事:今すぐ見直すべき固定費【薄給の若手公務員へアドバイス】をどうぞ。
職員住宅も検討しよう。
ここまで読むと、「東京で家賃8万とか6万なんて築50年以上のボロアパートしかないよ、、、」と思ったかもしれません。
でも、公務員には職員住宅がありますよね。
職員住宅の家賃は、家賃相場の3分の1ほどですよ。
- 家賃相場25万→職員住宅 約8万
- 家賃相場15万→職員住宅 約5万
- 家賃相場10万→職員住宅 約3.3万
職場からの距離も近くなるので、自由に使える時間も増えますよ。
職員住宅のデメリットは2つ
ここまで読んで「職員住宅って家賃が割安な上に、職場からも近いなんて最高じゃん!!」と思われたかもしれません。
しかし、デメリットもあります。
- 災害時に呼び出される →震度5弱程度で招集...
- 防災訓練への参加が義務 →だいたい土日に行われる...
- 人気すぎて空きがない →そもそも空いていない...
上記のデメリットは、慎重に考えるべき。
いつ呼び出されるかわからないストレスは、地味ですが強力だからです。

郊外の自治体に転職しよう

東京は生活費が高すぎる。でも、職員住宅はイヤだし、、、かといって、郊外に引っ越すのは通勤時間が......
僕なら、郊外の自治体に転職しては?と思います。
冒頭にも述べましたが、僕は地元の市役所にUターン転職した結果、自由に使えるお金と時間が増えました。
ただ、地元の市役所に就職するのは人によって向き・不向きがあるので、要注意です。
詳細は、参考:地元の市役所に転職してみてわかった感想【Uターン就職/転職して後悔しないために】をどうぞ。
公務員から公務員の転職は有利

断言しますが、公務員から公務員への転職は不利でなく、むしろ有利です。
僕の知り合いや友人でも、国家公務員→地方公務員、区役所→都庁と、公務員から公務員に転職した人は何人もいますよ。
加えて、最近では、地方公務員を目指す若者が減ってきているので、さらにチャンスです!
このあたりの詳細は、【脱・失敗】公務員から公務員へ転職する方法で解説しました。

「将来、どうありたいのか」を考える
ここが一番重要かもしれません。
大切なのは「どうなりたいか」ではなく、「どうありたいのか」を考えることです。
- NG 「どうなりたいか」:医者、弁護士、保育士、野球選手
- GOOD 「どうありたいか」:もっと自由な人生、人に優しく、自然豊かな場所で穏やかに生活
「どうなりたいか」を考えると職業の名前になりますが、「どうありたいか」を考えると自分の本心に近づけます。
一瞬だけ僕の話をすると、下記です。
- 人口の光が少ない場所で生活したい
- 虫の鳴き声が聞こえるような静かな場所に住みたい
- お金の心配が少ない
- 時間にゆとりがある
- 少人数の信頼できる家族や友人
- 必要十分なモノに囲まれたシンプルな暮らし
上記のとおりで、どこまでも自由で、心穏やかな自分でありたいと、心底願っています。
どんなに稼げても、どんなにかっこよくても、自由とゆとりがないと嫌です。
何もない場所に、立ってみる
自分の正直な気持ちと向き合うには、雑音を取り払う必要があります。
自分の正直な気持ちとは、合理的にひねり出した答えではなく、「こんなことしたいと思ってしまった」と感覚的に思ったことや感じたことです。
「こうするべきだ」のような常識や思い込みといった「雑音」に負けて、かき消されてしまうものです。

「どうありたいか」は、人それぞれ
僕にとって、東京での公務員を捨てて、郊外の市役所に転職するのはベストな選択でした。
しかし、他の人もそういうふうに生きるべきかっていうと、大いに疑問です。
一人ひとりが自分にとって何がベストかを知っている、ということのほうが重要だと思うからです。
20年くらい前まであり得なかった働き方や生活スタイルがフツーになった2021年です。昔と比べたら、働き方や生き方はずいぶんと多様化してきました。
だから、どれがベストかっていうのは、世間に決めてもらうんじゃなくて、自分で発見していくしかないんじゃないかな。
自分の中にしか、答えはない
自分にとってのベストな生き方は、自分と向き合うことでしか見つかりません。
なので、「どうありたいか」は人それぞれですが、もし今の現状に「なんか違う…」と感じているなら、自分とイヤになるほど向き合って自分を掘り下げていく。
他人が何と言おうとが、その先に「自分の理想とする生き方」が見つかると思っています。